夢虫

夢虫(ゆめんむし)夢虫(ゆめんむし)
(1991/05)
増田 みず子

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今まで二冊しか読んだことがないのだが、
割と好きな作家だ。登場人物も内容も地味なのだが、
夢中になって読んでしまう。

この本は、登場人物が重なりながら主人公が変わる
短編集になっている。
中でも、心をとじてしまったような20代の有稀が
全体の主人公だ。しかし私は、この主人公に
感情移入できなくて、あまり夢中になれなかった。
「夢虫」というのも、なんだかピンとこなかったせいもある。

しかし逆に、70代のタマエが、とてもリアルに感じられた。
年齢のせいなのかもしれないが、これ位の年になったら、
こんな風に感じるのかもしれないと、思えてしまう。

タマエと嫁との関係についての記述が、特にリアル。
もやもやっとしたものを、こんな風にはっきり
文章にして差し出されることで、気づかされることもある。

最後は、何か可能性を感じさせる終わり方。
有稀になりきって読めた人にはいいのかも。
タマエになりきってしまった私には、ちょっと物足りない。
別の本も読みたくなってしまった。

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